土佐錦魚参考
見方 (上見を基本とする)
- 土佐錦らしさを持つ。
- 品格を重んじ、味を尊ぶ。
- 風格、力強さを持つ。
- 筋が通り、素直さを持つ。
- 渡りがあり、極まっている。
尾
- 水平を基本として、たわみ・ひだ・重なり・尾先の上下等なく、もしくは軽度のもの。
- 尾芯が通り左右対称にして、袋尾・ねじれ・つまみがないもの。
- 三つ尾が最良にして、桜尾の軽度なもの。
- 渡りがあり、親骨が太く、付け根がせり出し、先に余裕があるもの。
- 金座が大きく尾をしっかりと押さえ、尾付けの良いもの。
- 反りは一文字が最良、及び折り舞。
- 朝顔の華麗なもの。
尾筒
- 尾筒は伸びがなく、詰まりすぎないもの。
- 太くして、ふらつかないもの。
- 折れのよいもの。
体
- 卵形を基本とし、後腹が張り、腹形のふくよかなもの。
- 尾筒・顔および尾とのバランスのとれたもの。
- 骨格の太いもの。
- 鱗は細かく整然と並ぶもの。
- 背は高すぎず低すぎず、中を得ているもの。頭から背びれにかけて素直に伸び、盛り上がらず、尾筒にかけて締まりのあるもの。
顔
- 口が小さく、上品なもの。
- 目先があり、目幅の適度なもの。
- 肉瘤が出ないもの。
- 鰓がこけていないもの。
鰭
- 大きめで、素直で、曲がりのないもの。
- 舵鰭は2枚が最良、および1枚のもの。
色
- 濃いものが最良。
- 色と模様の名称を次の如く大きく分ける。
- 黒の部
- 黒
- 白の部
- 白
- 赤の部
- 素赤、猩々
- 更紗の部
- 更紗、多赤更紗、多白更紗、背赤、背白、尾赤、尾白、腰白、面被り、面白、丹頂、窓、口紅、六鱗、大しぼり、小しぼり
泳ぎ
- 素直で左右および上下にくせのないもの。
- 静止時によく極めるもの。
手術
- 手術を要さぬ魚が理想である。
- 手術を施してまた芸術的魚を作出する。
- 術後痕跡が目につかなければ最良。
- 治癒していれば差し支えない。
名称の説明
- 金座
- 尾付けに広がっている鱗の部位をいう。大きいほど尾をよく押さえ安定する。
- 渡り
- 親骨の左右先端から先端までをいう。長いほど反転んが大きく魚が鮮やかになる。また、これは金座と共に鑑賞や種親の重要なポイントである。
- 折舞
- 親骨から一枚おいて二枚目から始まっている反転。
- 一文字
- 親骨から直接始まっている反転。
- 前
- 親骨、渡り、反転を一括した尾の前の部分。
- 板前
- 反転が板のように平らなのでついた名前。当歳時は反転も小さいが親になるに従い、よく極める大器晩成型。
- 深前
- 横から見て水平より下におろしている前。これは渡りを狭く見せ、かつ力強さに欠ける。
- 浅前
- 深前に対して逆に水平より上げている前。これは親になるにつれ、下がり気味になる傾向がある。
- 抄 (すくい)
- 後の尾先をすくうように上げること。